新島八重の維新 (青春新書インテリジェンス)

著者 :
  • 青春出版社 (2012年6月2日発売)
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5

(2013.01.03読了)(2012.12.24借入)
【新島八重とその周辺・その①】
2013年のNHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公・新島八重(山本八重)について書かれた本です。
誕生から死までたどっています。誕生、結婚、籠城、敗戦、離婚?、京都へ、再婚、夫の死、従軍看護婦(赤十字)、そして死、まで。
1845年11月3日、八重は会津藩砲術指南役山本権八の三女として誕生。母は佐久。
八重は、十代のころ裁縫の稽古と鉄砲の稽古(ゲーベル銃)をしている。
八重は、十三歳のころには四斗俵(70キロ)を掴んで肩に上げ下げできた。
石投げも男並みにやった。
1862年閏8月1日、会津藩主松平容保、京都守護職就任
1862年12月24日、松平容保一行、京都到着。八重の兄、覚馬も同行。
1865年、八重は、川崎尚之助と結婚
1867年、大政奉還
1868年、鳥羽・伏見の戦いで、兄覚馬は薩摩藩の捕虜となる。
弟三郎は負傷し、その後死亡。
1868年8月23日、政府軍鶴ヶ城下に突入。八重はスペンサー銃を肩に入城し、籠城。
9月17日、父権八戦死。
9月22日、会津藩、降伏。
降伏後、八重と川崎尚之助は離別したらしい。
1871年、兄の覚馬が京都府に登用されていることがわかったので、家族で京都へ。
1872年、八重は女紅場(女学校)で権舎長(寮母)兼教導試補として働く。
1875年10月15日、八重は、新島襄と婚約。
11月29日、同志社英学校開校。
1876年1月3日、八重と新島襄・結婚。
1890年1月23日、新島襄・死去。
4月26日、八重は日本赤十字社社員となる。
1932年6月14日、八重・死去。87歳。

【目次】
はじめに
第一章 山本八重、会津に生まれる
 一 会津のお転婆娘
 二 会津藩、京都に向かう
第二章 最初の結婚と兄山本覚馬
 一 最初の結婚
 二 朝敵への転落
第三章 戊辰戦争の渦のなかへ
 一 相次ぐ悲報
 二 白虎隊の悲劇と新選組の奮闘
 三 降伏・開城へ
第四章 故郷を去る
 一 会津を去る藩士たち
 二 京都に向かう
 三 明治維新の混乱
第五章 新島襄との再婚
 一 新島襄との結婚と同志社創立
 二 周囲からの反発
 三 夫に先立たれる
第六章 従軍看護婦への道
 一 日清・日露戦争に従軍する
 二 会津藩の末裔、京都の土となる
おわりに
新島(山本)八重関連年表
参考文献

●嫁入りの資格(17頁)
水戸藩では、自分の着物を縫うことができ、髪も自分で結えるようになることが嫁入りの資格と見なされていた。そうした事情は会津藩も同じだろう。機織りは武士の妻や娘の内職にもなっていた。
●三つの恩(20頁)
人には三つの大恩がある。その大恩に報いることで、はじめて生涯をまっとうすることができる。この世に自分を生み出してくれた父母の恩。自分を養ってくれる主君の恩。自分を導いてくれる師匠の恩だ。父母がいなければ生まれることはなく、主君がいなければ成長することはできず、師匠がいなければ物事を知ることはできない。
●会津藩の家訓(23頁)
保科正之は家訓を通じて、将軍への絶対的な忠誠を歴代藩主に求めた。だが、それゆえに二百年後の1868年9月22日には城は落城、藩士は離散という運命を会津藩が甘受しなければならなくなるなど、当時は夢にも思わなかったに違いない。
●会津・敗戦(94頁)
開城時の城内の人数は、4956人だった。そのうち女性は570人。病人は284人。老人や子供は575人を数えた。そのほか、奥女中や下働きの女性も含めると、女性の数は優に600人を越えた。
●山本覚馬(119頁)
薩摩藩に提出した『管見』を通じて、その卓見ぶりが政府内で知られるようになっていた覚馬は、槇村の知恵袋として京都の勧業政策をリードしていく。それは、まさに京都の文明開化につながる施策だった。
●女紅場(女学校)(121頁)
女紅場では裁縫・機織・袋物・押絵など実用的な手芸が教授されたが、そのレベルは非常に高かった。西陣一流の機織師が指導に当たり、希望すれば西陣の特産品として知られた綴れ錦の織り方も教授された。裁縫は市内一流の仕立師、お茶は千家、活け花は池坊家が教えた。

☆関連図書(既読)
「保科正之-徳川将軍家を支えた会津藩主-」中村彰彦著、中公新書、1995.01.25
「奥羽越列藩同盟」星亮一著、中公新書、1995.03.25
(2013年1月5日・記)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新島八重とその周辺
感想投稿日 : 2013年1月5日
読了日 : 2013年1月3日
本棚登録日 : 2013年1月2日

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