人形記―日本人の遠い夢

著者 :
  • 淡交社 (2009年1月30日発売)
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本棚登録 : 37
感想 : 7
4

(2009.05.20読了)
B4というか、週刊誌の大きさの本で、結構重いので、通勤電車で読むにはちょっとしんどいのですが、なんとか読み終わりました。170頁ほどで、カラー写真も結構入っているので、簡単に読めると思ったのですが、版が大きい分、1頁あたりの文字数も多いので、思ったより手間取りました。
いろんな人形について見に行ってそれを作った人や収集者に取材して書いています。
浄瑠璃人形、操り人形、指人形、からくり人形、伏見人形、御所人形、アメリカから贈られた「青い目の人形」、奈良人形、流し雛、美少女フィギュア、土偶と埴輪、「生人形」、いろんな人形があります。

●青い目の人形(95頁)
1927年にアメリカから日本に1万2千7百3十9体の「青い目の人形」が贈られ、その答礼としてアメリカに5十8体の市松人形(答礼人形)が贈られた。
「青い目の人形」は、全国の小学校や幼稚園、そして植民地であった満州や台湾、朝鮮の小学校に贈られた。
1942,3年頃、戦時色が濃くなる中、そのほとんどが人形は各地の小学校では気処分に遇った。現在までの調査で約三百体が生き残っていることが分かっている。
(梨木香歩の作品にこのことを扱ったのがあったような)

人形というのは、彫刻であるような、ファッションであるような、おもちゃであるような、呪術的であるような、ちょっと不思議な雰囲気の分野です。
(2009年5月25日・記)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 美術
感想投稿日 : 2009年7月26日
読了日 : 2009年5月20日
本棚登録日 : 2009年5月20日

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