王獣という、闘蛇をやすやすと食い殺す獣の王は、決して人に慣れないとされていた。けれども、エリンは、その王獣・リランと意思疎通をする術を編み出してしまう。
ヒトと獣は決して本当に理解しあうことは出来ず、その間の壁を守らなければならない。そんな母の言葉に果敢に挑むことになっていくエリン。しかし、そのために、エリンは、政治に巻き込まれてしまう・・・。
前半は、次々とエリンの工夫が当たり、リランが野生の王獣のように立派に育っていく様にどきどきしますが、中盤から、政治的な争いに巻き込まれ、王獣を人間の武器として扱う恐ろしさや卑しさに苦悩する場面が多くみられ、こちらも苦しい気持ちになりました。
ラストシーンは、希望ある終わり方ですが、少し終盤展開を急いたかな、と思いました。
人と獣の話にはとどまらず、生き物の営みの複雑さ、その尊さを感じる物語でした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年8月9日
- 読了日 : 2016年8月9日
- 本棚登録日 : 2016年8月9日
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