はじめての文学 よしもとばなな

  • 文藝春秋 (2007年1月12日発売)
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本棚登録 : 566
感想 : 85
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読んだことのない人の本を読もう月間.
意外と有名どころを読んでなかったりして、本のタイトルはたくさん知ってるんだけれど、なぜか手に取ったことがないという人が、わたしにはかなりいる.

読んだことがない作家さんにトライするときは、この『はじめての文学』があれば最初に読んでおきたいなと思う.たくさん読まれている話も入ってるし、何より自選っていうのがいい.小川洋子さんも最初に読んだのはこれだった.

全部で7つの短編&中編が収録されているけれど、好きだったのは『キッチン』『「おかあさーん!」』『おやじの味』『デッドエンドの思い出』.どれも悲しいことがあった後のやさしい再生のお話.悲しいことがあって弱ってるときのほうが、世界を見る感度が上がったり、いろんなことに気づけるということはあると思うけれど、そういう普通に生活してたら何てことのないものの美しさとかきらめきがぎゅっと詰まってる感じ.

ファンタジーぽさもあるし、そんなに現実はやさしくないと思うところはもちろんあるんだけれど、最後のあとがきの「この世に生まれたことをなんとか肯定して受け入れようではないか、だいたいが面倒で大変なことばかりだけれど、ふとしたいいこともあるではないか、そういうことを言葉で表したいのです。」というところを読んで納得.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: novels
感想投稿日 : 2014年5月10日
読了日 : -
本棚登録日 : 2014年5月10日

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