面白かった。この人の行動原理というか、考え方の源みたいなのがわかって、それが面白く感じた。なんか変なことをしてる人だと思ってたけど、わざわざ変なことをしてる人と思われるためにいろいろしてるというのが、可愛い。それは、辛かろう。
仏教の思想がわかりやすかった。また、その教えを自分なりに生かして生きやすくしているというのか、よい。悩んだとき、「いや、自分なんてなくていいんだ」「よし、周りのゴキゲン取ってやろうじゃないか」と考えるのは楽しそうだ。周りがゴキゲンなら、自分だって楽しい。本音の暗い話をするより、ちょっとくらいリップサービスでも面白い話をした方がいい。修行だから辛いかもしれないけど、どうしたって辛い人生を、周りを楽しくさせるというメリットに支えられながらやり過ごしていくことを、誰が否定できようか。
仏教に興味を持つきっかけに、入り口になるような本だなあと思った。テレビでたまにみうらじゅんさんを見かけて面白いけど芯のある人だなと思ってたけど、本を読んでますます好きになった。
不安なのは、自分にそこまでのめり込むものがないということだけど、それも今までセーブしてきたのかもしれない。修行だ、と思ってそういうのに溺れてみるのも面白いのかも。とにかく、宗教も、今を生きる人の役に立てたい方法で役立てられればいいのだと思うし、みうらさんもああせいこうせいとは言わないから、何か役に立つところがあれば、という姿勢なのが読みやすかった。よい本でした。
みうらさんは分かりやすく覚えやすいように仏教用語をカスタマイズしていて、王道とされる仏教とは違うのかもしれないけど、そもそも仏教の目的が民を救うことなのだから、それをやろうとして、広めようとしている三浦さんは、お坊さんよりお坊さんなんじゃないか。むしろ批判する仏教関係者がいたら、それは、自分自身の権威(金)が落ちることをおそれている、煩悩に蝕まれた考えなんじゃないかと思う。
心を砕いて、これだけ面白く仏教を語ってくれたみうさんはすごい。私もばんばん、周りのゴキゲン取りたいなと思った。
- 感想投稿日 : 2019年9月24日
- 読了日 : 2019年9月24日
- 本棚登録日 : 2019年9月15日
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