家出のすすめ (角川文庫 て 1-1)

著者 :
  • KADOKAWA (2005年1月25日発売)
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寺山さんは、わたしが産まれるずいぶん前に産まれて、わたしが産まれる前に亡くなった方。
それなのに、こんなにも共有できるものが多いのは、結局いつの時代も変わらないということなのか…性に対する見方は時代とともに変化している気がしているけれど、それは外面かもしれない、とも思いました。
特に面白かったのは、「サザエさんの性生活」。サザエさんは、わたし自身が苦手な作品であることもあって、とても痛快、そして納得。
家というものに縛られる日本。そのくせ求められる自立。子どもから大人になる中で、もがいて、自分の生き方を見つけていく。でもそれは、なかなかスムーズにはいかないもんで…
そもそも、どうしていきなり生まれ落ちて、どうして自分では選べない家というものに縛られないといけないのか。縛られた状態では自分の生き方なんて見つけられない。家出をして、自分を親から切り離し、縛られていたものから解放され、自分とは何者かを考えること。愛情で始まる親との関係を、最終的には友情という関係とすればいいという考え方は、なるほどなと思いました。家出(自立)というものに、一歩踏み出せない人や、家出(自立)に罪悪感を感じてしまう人への希望の言葉なんじゃないかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年9月22日
読了日 : 2018年9月22日
本棚登録日 : 2018年9月4日

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