グラスホッパー (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2007年6月23日発売)
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本棚登録 : 49897
感想 : 3654
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再読です。

伊坂幸太郎という作家に中毒のようにのめり込んでいた学生時代、「(伊坂作品)全部持ってるよ!」という知人に借りて、夢中で読んだ。当時は単行本だ。10年以上前になる。

AXが単行本で出版された時、「グラスホッパーまるで覚えてないなあ。そこから読み直さないとなあ」なんて呑気に思っていたら、もうAXが文庫化されていて、月日の流れの速さに、愕然とした。

時を戻そう。

グラスホッパー、文庫版。

…槿(あさがお)!!
こんなにかっこよかったっけ?
伊坂幸太郎が描く、知的でユニークで冷淡、なのにどこか人情深い勧善懲悪キャラクターは大好きで、最近の作品にはあまり出てこないから、とても懐かしい気持ちになりました。
デビュー作の「オーデュボンの祈り」に出てくる、桜を思い出した。

ここでがさごそと、本棚からボロボロになった「オーデュボンの祈り」を取り出してみる。

伊坂幸太郎の初期作品の楽しみは、登場人物の、作品をまたがってのリンク。
グラスホッパーでは、「神様のレシピ」と「田中」(いつだって足が悪い)にお目にかかれました。
「オーデュボンの祈り」をぺらぺらと捲っていたら、当時、初めてこの作品に触れた時の衝撃と、それに紐づいた記憶、つまりは学生時代の、今の生活なんて全く想像していなかった頃の自分が走馬灯のように蘇ってきて、また読みたくなってきちゃって。
AXへ向かうにはマリアビートルへ進まないといけないのに、気持ちがデビュー作にまで戻ってしまうとは。

時を戻そう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年3月29日
読了日 : 2020年3月27日
本棚登録日 : 2020年3月21日

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コメント 2件

大野弘紀さんのコメント
2020/06/27

漫画とか映画的ですよね
また一から読み直すみたいな。

漫画で、「魔王」があって、これには蝉とか槿とか鯨とか出てきますよ。


私が好きなのは、
どういう流れかは忘れたんですけど、

主人公が槿に怒るんですよね。うろ覚えなんですけど、
「だったらビートルズだってローリングストーンズだって解散なんかしないじゃないですか」みたいなことを車の中で言うんですよ。
それで槿が笑って、「君は面白い」て言うんです。

あと、「僕はけっこう頑張ってるんじゃないかな」てやつですね。
これが根底にあるから、グラスホッパーはすごくすくわれている。

naonaonao16gさんのコメント
2020/06/27

大野弘紀さん

「魔王」、小説は読みましたが漫画は知りませんでした。特に作品がリンクしているわけではないのに「グラスホッパー」の登場人物が出てくるんですね(´▽`)

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