仕事で関わっている女子高生に、アイメイクのコツを教わった。
教えてもらった通りにアイメイクを練習してみたのだけれど、ちっともうまくいかなかった。
でもなぜか、ほんの少しだけいつもと違う自分に、気持ちが高揚した。
そんな日に観た、美をひたすらに追及した作品。
美のカリスマが、転落し、壊れていく、そんなお話。
意図せず出てきた窪塚の威力。エロい////////
とってもメンヘラでご乱心な女王様、りりこ役に沢尻エリカ。
沢尻エリカって、こういう役の印象が強い。だから、作品の中でインタビューされているシーンになるたびに「別に」とか言い出すんじゃないかと思いました。それだけ、沢尻エリカそのものなんじゃないかと錯覚させられるような配役。でもきっと、彼女自身もこういう役柄と自分自身とのギャップに苦しんでいたんだろうな。とってもいい役者さんなのに。きっと本当は強い女王様なんかじゃなくて、イメージとのギャップに悩む、とても真面目で繊細な方なんだろうな。
美しいとは、何か。
表現の一つ?自分の心身を犠牲にしてまで、しなければいけないことなんだろうか。
美は、人を強くするかもしれない。でも時に、人を狂わせる。
作中の大森南朋のセリフ「みんなを楽しませるために、必死に羽を散らしている」。
これは、美を追及する人にだけ共鳴するものではない。美とは無関係に、例えば人に好かれるために必死に羽を散らす人だっている。わたし自身もその一人だと思う。でもそんなに自分を消耗させることなんてない。そんなに必死に、自分の羽をむしり取ってまで、あるいはむしり取られてまで、人に好かれる必要なんて、きっとない。
でも。
見た目の美しさを商品にしているに人は、見た目が損なわれることは、死を意味する。
表に出る人たちにとって、その機会がなくなることは、後輩の台頭は、死を意味する。
そして我々は。
平気で写真を盛るくせに、人が整形すると急に非難する。
美は、人を強くするかもしれない。でも時に、人を狂わせる。
蜷川実花さんの作品は、シーン一つ一つが美しい。
以前藤原竜也が主演をしたダイナーを観た時にも思ったのだけれど、彼女は、その人が一番美しくある姿を、一番美しく見せる演出が非常に巧い。スローモーションの入れ方やセットの配置、羽や花の撒き方等。美を、とても丁寧に、緻密に具現化する人だ。
制作側も豪華で、音楽はウエノコウジさんが担当、エンディングはAA=、企画協力には金原ひとみさんの名前がありました。
新井さんの役柄が、人として一番まともだった気がする。
- 感想投稿日 : 2020年7月16日
- 読了日 : 2020年7月16日
- 本棚登録日 : 2020年7月16日
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