そこのみにて光輝く 通常版DVD

監督 : 呉美保 
出演 : 綾野剛  池脇千鶴  菅田将暉  高橋和也  火野正平  伊佐山ひろ子  田村泰二郎 
  • TCエンタテインメント
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本棚登録 : 698
感想 : 154
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綾野剛、菅田将暉、池脇千鶴という豪華出演陣による本作品。
先ほど録画していた「MIU404」を観ていて、その後今日も何か映画を観るかー、とAmazonプライムのウォッチリストを徘徊。「MIU404」で共演している二人を見たくなって鑑賞。

人懐っこくて短気、その日暮らしの生活を送る拓児を菅田将暉、
過去から抜け出せない、苦しみを抱える達夫を綾野剛、
家族の生活のために身体を犠牲にする拓児の姉、千夏を池脇千鶴が、それぞれ好演!

閉塞した田舎町で、欲望と憎悪と暴力性が、人々の心の中を渦巻いている。
そのエネルギーは、発出の場所を探している。
何もない田舎町、それらはさまよい、出口を失い、屈折し、いつしか人間に向かう。

中盤から、拓児のその人懐っこさは牙をむく。彼は、勝手に向けてきた人懐っこさを、なすりつけてくる。
達夫の過去も明らかになり、千夏が抱えている家族の秘密も明かされる。
3人それぞれが、現状に折り合いをつけられずにもがき苦しんでいる。
みんな、そうじゃない自分を思い描き、あの頃の、そうじゃなかった自分に思いを馳せる。
けれどもう、後戻りできないし、先へ進むには現状に立ちふさがる壁が高すぎて進めない。結局、今の苦しみからは逃れられない。
ここに、屈折したエネルギーの力が加わる。

「そこのみにて光輝く」
三者にある、「そこ」とは。

悪いセックスはほどほどに、良いセックスはこれでもかというくらい堪能させてくれる。
そんな心遣いを感じました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年7月23日
読了日 : 2020年7月23日
本棚登録日 : 2020年7月23日

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コメント 2件

魚雷屋阿須倫さんのコメント
2020/08/11

原作は故佐藤泰志氏ですよね

naonaonao16gさんのコメント
2020/08/13

魚雷屋の読書録さん

こんばんは!
コメントありがとうございます。

そうですね。原作についての知識がほとんどなかったので調べてみたのですが、佐藤泰志さん、お若くして亡くなられたのですね…
本作品のみならず「きみの鳥はうたえる」「オーバー・フェンス」はいずれも映画が気になっていた作品で、今回魚雷屋の読書録さんのコメントがなければ佐藤泰志さんだと気がつかなった作品かもしれません。ありがとうございました。
どの作品も明るくはない空気が漂う作品であることと、佐藤泰志さんが若くして亡くなられたことを、どうしても重ねて考えてしまう自分がいます。

長々とすみませんでしたm(__)m

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