SCOOP! 通常版DVD

監督 : 大根仁 
出演 : 福山雅治  二階堂ふみ  吉田羊  滝藤賢一  リリー・フランキー  斎藤工  塚本晋也  中村育二 
  • アミューズ
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感想 : 74
2

クズ役の福山もかっこいいなーって思って観はじめて、
あれ?なんでこの映画観ようと思ったんだっけ?って途中で思い始めて、
最近、映画観るたびにセックスの意味を考えてるなって思って、
リリー・フランキーすごっ!こわっ!って思って、
そしたら衝撃の展開になって、
結構胸糞なラストだなって思って、
この映画観ようと思った時、この映画観はじめた時には全然想像もしていなかった展開に、心がついてゆけなくなった。

一番知りたかったことが最後まで知れなかったことがもやもやと残る。
エンディングで、福山雅治と二階堂ふみがずっと車の中で話しているシーンはよかった。

撮るということは、なんだ。
きっと、カメラマンと記者にとって、それは、人間と向き合うということになるのかな。
人はなぜ、清純派アイドルが泥酔しているところを見たがるのか。
人はなぜ、俳優の不倫をバッシングしたがるのか。
自分の泥酔や浮気は放置したまま。
人にはたぶん、表の顔と裏の顔があって、わたしたち一般人というのは、ある程度裏の顔を出してもすぐさま公に糾弾されることはない(犯罪は別)。泥酔や不倫のような「裏」というのは、例えばわたしたちがやらかしても、迷惑をこうむるのは、その周囲にいる人たちだけであって、社会とか、世間とか、全然知らない人に公に知られたり見られたり、ましてや責められることは、ほぼない。けれど芸能人というだけで、全てが公にされてしまう。それに注目する一般人たち。この、刺激はなんなのだ。なぜそれを求め、それを密の味と感じるのか。こうした報道がなくなれば、求めなくなるのか。刺激があるから、求めてしまうのか。ニワトリか卵か。

刺激的な仕事は、途中から、刺激がないとやってゆけなくなる。だから、一度刺激の味を知ると、自ら刺激を求めていくようになるし、その瞬間は快感で、ないとやってゆけなくなる。だから、自分たちがおかしくなっていることに、気がつけない。気づいたときには、何か大切なものを、失っていたりする。
わたしは、二階堂ふみが変わっていく姿を、いい意味で受け取れなかった。
そこまでして撮る必要があるのか、どうしてもそういう思いが消えなかった。
けれど、一方で、撮れた時に「撮れた!」と同時に思う自分もいた。

ドラマ「知らなくていいコト」では吉高由里子が記者を演じていた。彼女は、「裏」の報道から、ありのままのその人を、伝えようとしている。
糾弾や興奮のためではなく、その人が幸せになるための、報道を。
それを公にするのなら、雑誌に触れた人々が幸せになるような、報道を。
そんなことを思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年4月4日
読了日 : 2020年3月21日
本棚登録日 : 2020年3月21日

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