古典。まさに古典です。
へんな話ですが、クリスティーでこれ以上「古典」の名にふさわしいのはほかにないだろうと思います。
(かろうじて『そして誰もいなくなった』が対抗できるくらいかな)
サスペンスに満ちていて、会話がいきいきしていて、
それなのに信じられないほどすらすら読める。
これって………おかしくないでしょうか?
なんでここまで読みやすいんだろう。
もともとは短篇をふくらましたもの。
短篇小説もいいし、この戯曲もいいし、ビリー・ワイルダーの映画もいい。
悔やまれるのは、「情婦」なんてつまらない邦題をつけられたことです。もとの「検察側の証人」の方がきりっとしてて、かっこいいのに。
旧版は加藤恭平さんの訳者あとがき。
すべての戯曲を年代順に紹介する丁寧な文章です。
これは本当にためになる。
新版は菅野圀彦さんの、こちらも解説らしい解説。
どちらも名のある戯曲を飾るのにふさわしい、きちんとした文章なのがうれしい。
引き分けです。
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カテゴリ:
クリスティー解説腕くらべ
- 感想投稿日 : 2011年9月20日
- 本棚登録日 : 2008年5月23日
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