自省録 (岩波文庫 青 610-1)

  • 岩波書店 (2007年2月16日発売)
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2014.6記。

古代ローマの皇帝の随筆。ひとつひとつの項目が短いせいか、パラパラ見るばかりでいつまでも読了できない、ので、もうアップする。

ストア派(らしい)を基礎とする「自然、美、神々、善」みたいな教養・哲学は正直ぴんと来ない。
それよりも、今の米国大統領をはるかに上回る「絶対的権力者」であったろうローマ皇帝も、平たく言うと「むかついたら終わり」と心に念じながら、部下の横暴への怒りをこらえ、正しいこととは何かを振り返り、日々自分に言い聞かせている、そのことに心動かされる。

例えば、戦車競技(今で言えばプロ野球かJリーグ?)のひいきのチームを持たない、と決意するところとか、人間臭いが同時に本当の不偏不党とはここまでのことか、とふと胸を突かれる(昭和天皇もひいきの力士の名前を決して明かさなかったとか・・・)。

自己啓発マネジメント本的な読み方からは本来最も遠い所にあるべき本、が、まあこんな感想も広い心でお許しいただこう・・・

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典文学
感想投稿日 : 2019年1月6日
読了日 : 2019年1月6日
本棚登録日 : 2019年1月1日

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