アスペルガー症候群 (幻冬舎新書 お 6-2)

著者 :
  • 幻冬舎 (2009年9月30日発売)
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評者があることをきっかけに臨床心理士の方のカウンセリングを受けた際、「あなたと話しているとアスペルガー症候群に似た感じがする」のようなニュアンスの事を言われて紹介されたのが本書である。
私事で恐縮であるが、評者は幼いころから浮いた存在でいることが多く、小説のような物語や心情を推し量ることが非常に苦手である。幼稚園の時に"サンタクロースはいない" と分かったほどである。また流行はどうでもよく、いわゆるお笑いに対して何が面白いのか分からず、何か言うと"お前が言う言葉は周りがどう思うか?"などと怒られたこともしばしばである。
その一方、どこの学校でも居るが、小学校の時に歴史に興味を持ち、経済や金融、国際社会に対しては非常な興味を持って接しており、周りから"自分たちの常識と評者の常識が違う" という印象があり、上司は周りから排除されるのを憂えたこともある。

本書はアスペルガー症候群にはどのような傾向があるかや特徴、周りからどう接するのか? などが書かれており、評者も本書を読んでいるとなるほど当てはまることが多々ある。
ただし、本書を読んで当てはまる部分を見つけただけで"自分はアスペルガー症候群だ" と思いこんではいけないし、本書にも記されている通り、まだまだ解明されていないことが多いのも事実であ。今後の解明が待たれる。

日本の社会はまだまだ村社会であり、自分たちと違う人に対しては奇異な目で見たり関わらないようにしがちである。また生き方に多様性を言うようになっても一方で"KY"に代表されるように、押し込めようとする。かといって評者も含めた素人が判断できるものではないし、言葉を知っていても、身近な人がアスペルガー症候群のように一般の人と違う人がいればなかなか接し方が分からないものであろう。
本書を通して100%理解できなくとも人との接し方について振り返ってみる必要があるかもしれない。
ただ、自閉症との違いが分かりにくく、内容の羅列が多いので読みにくいのが残念であった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サイエンス
感想投稿日 : 2010年11月14日
読了日 : 2010年11月16日
本棚登録日 : 2010年11月16日

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