死に対して、何の小細工も弄せず、愚直にまっすぐ向き合った作品だと思う。いろんな形で、いろんな方向から死にアプローチすることだってできるはずが、真っ正面から対象を見据え、無駄なものを一切排除して描き切ったところが、トルストイらしい。イワンの死に対する価値観の変容が、身体の容態とリンクしている様が、本当に真に迫っている。理解しきることはないが、それでも分かる分かるとうなづいてしまうようなリアリティがある。聖人君子でもなければ、イワンと同じ心境に陥ることはあるだろう。どうでもいいけど、トルストイと言えばイワンだな…。
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- 感想投稿日 : 2018年1月4日
- 読了日 : 2018年1月4日
- 本棚登録日 : 2018年1月4日
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