乙女なげやり (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年8月28日発売)
3.76
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本棚登録 : 2162
感想 : 205
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「なげやり」って言葉にひそむ勢いのある脱力感と、経歴詐称の居心地悪さを感じる自称「乙女」。
この2つの言葉が合体した「乙女なげやり」って、世間体とか気にせずに自然体で生きている姿を感じる。
そんな「乙女なげやり」な三浦氏の日常を描いた(?)エッセイは、しをんさんの生活を覗き見しているようだ。

三浦しをんさんのエッセイを読む楽しみの一つに、例えのざん新さがある。
今回のエッセイでは、子供のキラキラネームに対して「暴走族の落書きみたいな、ものすごい当て字の名前」と言い放っている。
確かに、この読み方にどの字を充てるかという意味付けをしている思考回路が似ていると感じる。

家族の話題もよく出てくるが、冷蔵庫の話は「確かに!」と思った。
「ドアガ アイテイ マス」としゃべる冷蔵庫が"女"だという父。
理由は、声が女(男ではない)だから。
そう言われると、我が家のエアコンや給湯器も"女"だ。
設定で変えられるのかも知れないが、デフォルト設定は"女"の声だ。
これは日本だから?
しをんさんも疑問を感じたようだが、私も海外の事情を知りたくなった。
インターネットで少し調べてみたが詳細は良くわからなかった。
が、ジェンダーニュートラルなデジタル音声、男女どちらにも聞こえる声もあるようだ。
日本では最近は好きな声優の声を選べる製品もあるようだが、初期設定をどうするかが国民性を表しているのだろうな。

しをんさんは漫画愛に溢れているので、いろんな漫画の話題も出てくるのだが、今回は読んでみたいと思った作品があった。
それは、よしながふみ「愛すべき娘たち」。
しをんさんが「自信をもって男性にもお勧めできる。」と言うのだから間違いないのだろう。
読んでみたいが、漫画なので図書館には置いてない。
購入してまで読みたいわけでもない。
"試し読み"で30頁まで読めたので残念だがこれで潔く諦めることにする。

次に「桃色トワイライト」も待っていますので…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: *三浦しをん
感想投稿日 : 2023年4月22日
読了日 : 2023年4月22日
本棚登録日 : 2022年10月18日

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コメント 2件

kuma0504さんのコメント
2023/04/26

Kazuさん、
「愛すべき娘たち」TSUTAYAのレンタルでありました!
借りてみようと思います。

Kazuさんのコメント
2023/04/26

kuma0504さん、こんにちは。
コミックを読む人には、コミックレンタルという手がありましたか。
レンタルだと1冊165円、大量に借りれば1冊100円程度なんですね。
我が家の近くのTSUTAYAは潰れちゃいました。
潰れてBOOKOFFになったので、「愛すべき娘たち」探してみようかな。
値段調べたら330円みたいだけど、在庫がありませんと表示されていた。
近くの店舗で探しても、ないか。

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