家守綺譚 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2006年9月28日発売)
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本棚登録 : 8955
感想 : 1102
3

不思議な世界。
人と幽霊と動物と草木、プラス妖怪?
これらが共存共栄してるというか一体化して結び付いている。

最初は「何これ?」「どういう話?」と意味不明で、読み続けられないかもと思ったが、
ただ単に、この世界に浸っているのも悪くないと感じ始めたら素直に受け入れられた。

怪奇現象はヒトの心が創り出すが、誰もが持っている深層心理を具象化した物語といった感じ。
特別なストーリーもなく、喜怒哀楽の起伏も少ないファンタジー。

植物の名前をタイトルにして物語が綴られているのに「ホトトギス」が出てきた。
鳥だと思いきやホトトギスの腹に化けたような花の植物だった。

梨木香歩さんの作品は「西の魔女が死んだ」しか読んでいないが、
あの魔女の魂もどこかにいそうな気がして「アイノウ」という声を思い出した。

このような雰囲気の作品は少ないと思うが、串田孫一さんの「鳥と花の贈りもの」は似た感じだったかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説 - 日本
感想投稿日 : 2024年2月23日
読了日 : 2024年2月23日
本棚登録日 : 2021年7月11日

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