寝ぼけ署長 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1981年8月27日発売)
3.45
  • (25)
  • (55)
  • (96)
  • (9)
  • (5)
本棚登録 : 537
感想 : 57
4

発表当初、覆面作家として書かれたというのが面白いな、と思って読み始めた。
時代ものではない作品は珍しいが、やはり、山本周五郎は好き。虐げられる者、弱い立場の者たちへの視線が優しい。
なかでも屈指なのが「十目十指」だ。貧しく、慎ましく生きている夫婦が、周囲の山の手の奥様方から無実のそしりを受けたが、実は、彼らのほうに否があったという。
なんだか、山本周五郎の作品を読むと、自分の中の姿勢を正される気がする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フィクション
感想投稿日 : 2018年6月29日
読了日 : 2018年6月29日
本棚登録日 : 2018年6月29日

みんなの感想をみる

ツイートする