タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫 SF ウ 4-22)

  • 早川書房 (2009年2月25日発売)
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本棚登録 : 4303
感想 : 306
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人間を宇宙的に見たとき、不思議な動きをしているんだろうな、と思うことがある。
見えもせず感知もできない宗教の相違について戦争を起こしたり、文明を作っては壊したり、生まれてくるのに自殺したり、あっちからこっちに行く人間がいるかと思えば、こっちからあっちへ行く人間がいたり。「タイタンの妖女」は、そうした人間の異様さを外側から描いている小説だ。だから皮肉がきいているし、運命の残酷さを隠すことなく描いていて、人間として不思議な気分になる。「私たちはどうしてこんな動きをしているんだっけ?」って。文体的な読み辛さも、読了してしまうと人生を思い出すときみたいにばらばらに、でも順序立てて経験として残るように思い出されて、この本が伝えたいのは「概念」なんだろうなと思った。
最後、爆笑問題の太田光による解説がよく書かれていて驚いた。太田光ってなにしてる人なのか全然知らなかったけど、一気に興味湧いたし、感動した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読み返したくなる本
感想投稿日 : 2015年2月13日
読了日 : 2015年2月13日
本棚登録日 : 2011年12月20日

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