エンデの遺言 ―根源からお金を問うこと (講談社+α文庫)

  • 講談社 (2011年3月20日発売)
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(目次より)

◆プロローグ「エンデの遺言」その深い衝撃
マネーが地域を踏みつぶす/「格差」を衝いて自己増殖するマネー/「地域通貨」を生みだす共生の思想

◆第一章 エンデが考えてきたこと
1. 残された一本のテープ
問題の根源は「お金」にある/内世界から外世界を変革する/自明のことを自明にしない/父の絵がかけられたエンデ家の居間で
2. エンデが日本人に残した言葉
人類はこの惑星上で今後も生存できるか/いま金融システムを問い直すとき
3. お金への思索は『モモ』から始まっていた
エンデの生涯を貫いたテーマ/熱烈な支持を受けた『モモ』/『モモ』にお金への問題意識が込められていた/オンケンの「経済学者のための『モモ』」

◆第二章 エンデの蔵書から見た思索のあと
1. ハンス=クリストフ・ビンズヴァンガー―利子が利子を生むお金の錬金術
お金の錬金術/未来を食いつぶすお金の正体/エンデの遺稿「ビンの中の悪魔」
2. マルグリット・ケネディ―現在のお金のシステムがもたらしたもの
建築家が書いたお金の本/一枚の金貨の2000年後の利子/安定したお金のシステムとは/死と貧困を生みだす貨幣システム
3. ルドルフ・シュタイナー―エンデに大きなヒントを与えたもう一つの経済観
座右にあったシュタイナー全集/社会全体を問い直すシュタイナー思想/ゲゼルとシュタイナーの"エイジング・マネー"/友愛による経済とは/利子を自分で決める銀行

◆第三章 忘れられた思想家シルビオ・ゲゼル
       ―老化するお金の理論とその実践の歩み
1. 新たなミレニアムを前にして
2. なぜお金は減価しなければならないか
3. よみがえる補完通貨の経済史
FFF運動/運動の発展/補完通貨の実践/シュヴァーネンキルヘンの奇跡/ヴェルグルの実験/地下世界へ、そして復活

◆第四章 貨幣の未来が始まった
1. 米国の地域通貨イサカアワー
2. ヨーロッパに広がる交換リング
3. 銀行の国スイスで生まれたヴィア銀行

◆第五章 お金の常識を疑う
お金―見えて見えないもの/物々交換の不都合とお金の特権/問題はお金の循環の停滞/生活や実体経済に打撃を与えるお金/金融システムの手品/プラス利子のお金の仕組みがすべてではない

◆エピローグ 日本でも「お金」を問い直す気運高まる
幻に終わった東京会議/チロル山荘での小さな会議/お金は新しい関係をつくりだす道具である

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 贈与-経済-幸福
感想投稿日 : 2011年10月9日
読了日 : 2011年10月9日
本棚登録日 : 2011年9月12日

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