美篶堂とはじめる 本の修理と仕立て直し

著者 :
  • 河出書房新社 (2017年4月18日発売)
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本棚登録 : 247
感想 : 15
5

「美篶堂」の「篶」の文字が難しい。「みすずどう」と読む。
有名な製本職人さんのお店で、この本棚では「本をつくる」というレビューの中に登場して素敵なお仕事をしている。

数時間で一冊仕上げる製本ワークショップも開催し、時間をかけて本づくりを学ぶ「本づくり学校」も開設している。
しかし、なかなか学べないこともある。それが「本の修理」。
本書は「美篶堂」の娘さんが、親方であるお父様から教わった「本のお直し」の書籍化。
使用する道具や修理の手順を、「お直し」のケースごとに全部写真入りで解説する。
これはいいよ。とにかく分かりやすい。
手仕事大好きな私は、手近に壊れた本がないのが残念になるくらい(*´▽`*)

1.ジャケットが破れたら
2.ページが傷んだら
3.表紙の背・角が傷んだら
 (部分的で傷みが小さい場合と、全体的な大きい傷みの場合と)
4.見返しが傷んだら
5.ブックケースが傷んだら
6.本がバラバラになってしまったら(綴じ方による違いも説明)

いいえ、もっとある。なんとまぁ、「仕立て直し」の章だ。

1.ブックケースをつくるには
2.2冊の並製本を1冊の上製本にするには
 (雑誌・文庫なども含むソフトカバーが並製本。
  上製本はハードカバーのこと。合本の仕方が出てくる)
3.ガイドブックをコンパクトにするには
4.雑誌のバックナンバーをまとめるには
5.アルバムの表紙を変えるには

↑ここはぜひ読んでみてね。
保存用に切り取ったものやコピーしたものがあったら、それらをまとめて本に出来るのだ。
世界に一冊の、自分だけの本が出来上がるということ。

更に、「きほんのこと」として本の形、部位、紙の目、道具、道具の使い方をイラストで説明。もう感動するほど丁寧だ。材料と道具が買えるお店まで紹介してある。
読んだところ、私は現在持っているもので全て間に合う。
素人なりにお薦めは、カッターボード(作業用ボード)かな。多少厚めのモノの方が良い。

図書館なら司書さんのお仕事。
でも自分の本なら?自分がルリユールに・・なれるのですよ!
自分専用の一冊なんて、何だかワクワクしてくる。
本の修理がこんなに手近でカジュアルになっているという驚きの一冊。
本好きの皆さんなら、どなたもきっと喜ばれるだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本にまつわる本
感想投稿日 : 2020年12月25日
読了日 : 2020年12月24日
本棚登録日 : 2020年12月25日

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コメント 3件

夜型さんのコメント
2020/12/25

こんにちは。
http://pro.bookoffonline.co.jp/book-enjoy/use-book/
ブックオフのページに本の手入れの仕方がありますが、詳しく学べる本は一冊置いておきたいですね!

ところが、こんなニュースも。。
https://kot-book.com/a-book-sterilizer/

夜型さんのコメント
2020/12/26

こんばんは。
お返事を頂いたはずが……霊圧が消えていました。
虫干しするのは必要でしたが、紫外線は紙を傷めますね。

こうして見ると、
本の作り方、本の直し方、本の愛し方、本の語り方……まるでヒト付き合いのようですね。

nejidonさんのコメント
2020/12/26

夜型さん、こんばんは(^^♪
ごめんなさい。。
読み返してあまりのお返事のつまらなさに恥ずかしくなり消しました((+_+))
レビューの中にもある「保存用に切り取ったものやコピーしたもの」を
大量に持っているのはワタクシです。
年明けにでも一冊の本にしてみたいです♪
ああ、自慢する場所が欲しい(笑)(笑)

「本の作り方、本の直し方、本の愛し方、本の語り方……まるでヒト付き合いのようですね。」
ふふ、まさしく。そしてどれも簡単なものがない。指南書が必要なんですよね。
これから一層寒さが厳しくなるそうです。
どうぞお気を付けください。

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