英語では両者ともに「OWL」と表現するが、日本語では「フクロウ」と「ミミズク」の、それぞれ呼び方がある。
表紙の左側が「フクロウ」で頭がつるんと丸い。
右側が「ミミズク」で頭に耳(羽角)がある。
でもこれ、画像がなくても違いが言えます?私は言えませんでした。
ということで、「目でみることば」シリーズのスピンオフ企画である本書。
面白くて読んでいるうちに、おかべたかしさんの本は5冊目になった。
掲載された「似ていることば」は全部で38組。
同音異義語のように言葉が似ているものと、形が似ているもの。
鮮やかな写真と明解な説明付きで、本だからこそ可能な企画だ。
言葉が似ているものの中で、頭をひねったものを挙げてみる。
「絞る」と「搾る」。
前者は雑巾を絞っている。両手で強くねじって水分を出すこと。
後者はレモン搾り。押し付けるようにして水分を出すこと。
「制作」と「製作」。間違って使ってないか考えてみて。
芸術品をつくるときは「制作」で実用品をつくるときは「製作」。
「特徴」と「特長」。これも間違って使いそう。
他より目立つ所が「特徴」で、他より際立つ長所が「特長」。
目立つけれど長所とは言えない場合は「特徴」となる。
形が似ているもので、思わず迷ったものを挙げよう。
「サンデー」と「パフェ」。
浅い皿に盛りつけるのが「サンデー」で深い器に盛りつけるのが「パフェ」。
キリスト教の安息日に、豪華なパフェを食べるのは遠慮したためというのが語源らしい。
「ヒラメ」と「カレイ」。これは意外な答えだった。
口が可愛いのが「カレイ」で口が恐いのが「「ヒラメ」だって!
左ヒラメに右カレイは不確実らしい。最近亜種も発見されたしね。
上で「恐い」と書いたがこれも「恐い」と「怖い」の二種類がある。
誰でもこわいものは「恐い」。自分だけがこわいものは「怖い」。
わたしは非常にこわがりなので、いつも「怖い」を使用している。
コラムに面白いものもあった。
関西人は「大きいのがシャベルで小さいのがスコップ」という認識だが関東人は逆。
「ところてん」だの「たぬきそば」だのも東西の違いはあるが、これは初めて知ったことだ。ぜひ周りのひとに聞いてみたい。
日頃いかに曖昧に理解しているモノや言葉が多いことか。
違いをすっきりと理解するだけでなく、似ていることが生み出す物語もかなり楽しめる。
日本語って奥が深い。
ひとりでも楽しめるけど、お子たちと読むともっと楽しいかも。
ところで著者は「おかべたかし」さんで写真は「やまでたかし」さん。似ている名前?
- 感想投稿日 : 2020年8月29日
- 読了日 : 2020年8月29日
- 本棚登録日 : 2020年8月29日
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