日本の最も美しい図書館

著者 :
  • エクスナレッジ (2015年5月30日発売)
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感想 : 92
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日本国内の美しい図書館が豊富な写真と共に紹介されている。
全41館。
そう聞くと、都道府県の殆どを網羅してあるかのようだが、そうでもない。
沖縄と四国と北海道はゼロで、九州は福岡と佐賀のみの登録。
更に、東京都内だけで9館あり、兵庫は6館で京都は5館という偏りがある。
取材しなかったのか、これが現実なのかは分からない。
私が訪れたことのある箇所は、全部で5カ所あった。
どれも「非常に美しい」という印象は確かにあった。

創立年と所在地とアクセス、休館日とその美しい点が記載される。
建築物としての特徴と蔵書数、あとはフロアの様相等々。他図書館との相違点も。

三重県志摩市にある「志摩図書館」のクラシカルな洋館がとても素敵だ。
真珠に関する蔵書も豊富に収集しているらしい。
「世界で最も美しい公共図書館・ベスト25」に選ばれたこともある、金沢市の「金沢海みらい図書館」も未来風の庭園図書館といった趣で魅力的。
あとは佐賀県武雄市のカフェと書店が融合する新型公共図書館もいいなぁ。
ハード面の優れた点ももちろんだけど、滞在型コミュニティとして造られている図書館にはやはり心惹かれる。この三か所は、いつか必ず足を運びたい。

ただ、「未来をつくる図書館」を読んでしまった後なので、どうしてもソフト面が気になって仕方がない。
「新しいぶどう酒は新しい革袋に」という譬えにもある通り、外側を新しくした際は中身も新しくしないと魅力は維持できないのは。
「今日はお客様が8千人くらいいらした」と、司書をしてる友人が話していたことがある。
(その図書館も掲載されている。実物の方がもっと綺麗と思ったのはここだけの話)
私たちがお客様だったなんてその時は驚いたが、客なら客らしく、図書館の上手な利用法をもっと学ぶ必要がある。
共に造りあげる気持ちがないと、未来をつくる図書館にはなり得ないだろうな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本にまつわる本
感想投稿日 : 2019年12月12日
読了日 : 2019年12月12日
本棚登録日 : 2019年12月12日

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