うーん、これは解釈に迷うものがある。
ウンゲラーさんが、平和を願って書いた作品には違いないのだが、どうにもストーリーに無理がありそうで。
「すきなように すきにいきていて ほかのものが なにをしているかなんて ちっとも きにならなかった」という雲が、人間界の争いを見て、我が身が消え去るほど雨を降らせるものだろうか・・しかもこれは自己犠牲と言えるほどのものだろうか。
そもそも、そこまでするのは何故なのか、動機らしきものが何一つ出てこない。
そして、雲の青色を与えられて青一色になった人間たちが争いをやめて穏やかに暮らすようになったという結末も、何だか納得がいかない。
それぞれの肌の色を認め合い受け入れあって暮らすのが平和というもので、そのための努力を惜しんではいけないと思うのだが。
世界中みんな同じになって、果たして真の幸福と言えるのだろうか。
いやいや、それとも私が考えすぎなのかな。
こういったテーマをやけに好むひとがいるのも事実。
ま、私は決して読み聞かせには使わないが。
これは大人向けの一冊という事で棚にあげておこう。
(他のウンゲラーの作品は、カテゴリーの一番下「トミー・ウンゲラー」からお入りください)
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
トミー・ウンゲラー
- 感想投稿日 : 2019年2月20日
- 読了日 : 2019年2月19日
- 本棚登録日 : 2019年2月20日
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