迷路館の殺人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1992年9月3日発売)
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本棚登録 : 3668
感想 : 394
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そうだ、ミステリーを読もう。そう思って選んだ作品。クロニクルに入っているだけあって中々の面白さである。ただ、登場人物がちょっと多すぎてゴチャゴチャしているイメージがある。もう少し登場人物を絞っても良かったのではなかろうか?
とは言え、ストーリー上の面白さ、特に構成の妙は非常に勉強になる。迷路館というギミック、そしてあとがきを上手く使用したひっかけ。ああ、このオチは想定範囲内だったよね。そう思わせてからのどんでんがえし。読者はひたすら騙され続ける心地よさがある。
ただ、肝心要の部分を叙述トリックで辻褄を合わせてしまうのは残念としか言いようがない。実は、女だったのだ。などと言われても、はあそうですか。としか言えない。本を受け取ったのが島田の兄の方だった。というのも微妙に感じられる。僕は叙述トリックが好きではないのだ。文章からイメージを生み出すとき、?個人的な好みで評価を判定するのは公正を欠くかもしれないが仕方が無かろう。
更に言うならば、出番の少なかったxxxが、xxxでxxxであったなどと言われても、インパクトは弱いように感じられる。それに先生を殺すタイミングも時系列的に考えればかなり困難があるように思われる。
と、いろいろと文句もあるけれど面白い。読んでおいて損は絶対にない一冊、かな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(ミステリー)
感想投稿日 : 2012年8月27日
読了日 : 2012年8月27日
本棚登録日 : 2012年8月27日

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