あした天気にしておくれ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1986年8月8日発売)
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本棚登録 : 559
感想 : 52
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本作は競馬場と北海道の牧場が舞台背景です。北海道の牧場で起きたほんの小さな事故が発端になり東京~北海道でエリートサラブレッドの行方を廻って馬主・警察が犯人を追う物語です。

 まず、感心するのは今回誘拐?盗難?された素材が「馬」である事、普通?(犯罪に普通も常識もないでしょうが)盗むなら現金や換金性の高い物を選びますが犯人が盗んだのは転売も出来ない登録が必要な馬主となってレース出場も叶わない事がはっきりしている素材を扱った小説であると事です。

 著者は競馬好きとの事で本ミステリーを執筆したとの事ですが盗難に至る真の理由や2重に張られた犯罪トリックと身代金の行方等が新鮮な上に本ミステリーは他とは違い人が殺されないので陰湿な感じが無いのも1つの特徴です。

 競馬場や競走馬が舞台ではありますが、競馬素人でも全く問題なく楽しめる内容で一風変わったプロットに衝撃と感動を受けること間違いありません。。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本小説・文学
感想投稿日 : 2021年4月17日
読了日 : 2013年12月15日
本棚登録日 : 2013年11月30日

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