トリツカレ男 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2006年3月28日発売)
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感想 : 907

「トリツカレ」という題と表紙のやや怖い雰囲気の絵に、暗い話なのかなというイメージがあったこの本。ハートウォーミングでハッピーエンドと聞いて、落ち込んだ時に読みました。(表紙の絵、髪の毛のところに顔があって影になってるのかと思いきや、よく見たら下に陽気な顔がありました)

とくにグッときた、大好きな部分を引用

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自分の足元に、もうずっと前から張られている、澄みきった美しいこの世の氷。
氷の上で、ペチカの足はふるえもせず、きれいにぴんとのびてるさ。自分はとっくに新しいスケート靴をはいている。それはとてもよく足になじむ。それはブレーキなしにひたすら懸命に前へ前へとすべる。そしてそれは、ペチカが転ばないよう、氷と彼女との間に歯をくいしばって立っている。
>

この一文目にすっかりやられました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年1月31日
読了日 : 2017年1月31日
本棚登録日 : 2017年1月31日

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