デッドマン

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年9月25日発売)
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本棚登録 : 336
感想 : 77
4

横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作。デビュー作にして
大胆にも島田荘司の「占星術殺人事件」を下地に
したような6つのバラバラ殺人を題材に、全く
別の絵を描くように、面白い作品を輩出した、
受賞も納得の快作。

頭部、胴体、両腕、両足のない6つの死体が
発見される猟奇殺人事件。持ち去られたそれぞれの
パーツはまさにアゾートを思わせる。その事件を
追う警察官の視点と、そのパーツを結合して蘇った
「死体」であるデッドマンとの視点でストーリーは
展開され、それぞれの推理によって真相が明らかに
なっていく。

真相に辿り着く経緯となったデッドマンからのメールなど
やや強引でご都合主義な部分もあるのですが、それ以上に
今作そのものの発想と、ストーリーが持つスピード感、
そして警察官達のキャラクタが優れている為、少しの
マイナスを充分カバーして余る面白さです。ラストは
もう少し余韻を残した展開が欲しかったですが...この
主人公「鏑木」を始めとした面々の再登場を望みます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内作家か〜
感想投稿日 : 2013年2月26日
読了日 : 2013年2月26日
本棚登録日 : 2013年2月26日

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