横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作。デビュー作にして
大胆にも島田荘司の「占星術殺人事件」を下地に
したような6つのバラバラ殺人を題材に、全く
別の絵を描くように、面白い作品を輩出した、
受賞も納得の快作。
頭部、胴体、両腕、両足のない6つの死体が
発見される猟奇殺人事件。持ち去られたそれぞれの
パーツはまさにアゾートを思わせる。その事件を
追う警察官の視点と、そのパーツを結合して蘇った
「死体」であるデッドマンとの視点でストーリーは
展開され、それぞれの推理によって真相が明らかに
なっていく。
真相に辿り着く経緯となったデッドマンからのメールなど
やや強引でご都合主義な部分もあるのですが、それ以上に
今作そのものの発想と、ストーリーが持つスピード感、
そして警察官達のキャラクタが優れている為、少しの
マイナスを充分カバーして余る面白さです。ラストは
もう少し余韻を残した展開が欲しかったですが...この
主人公「鏑木」を始めとした面々の再登場を望みます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
国内作家か〜
- 感想投稿日 : 2013年2月26日
- 読了日 : 2013年2月26日
- 本棚登録日 : 2013年2月26日
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