あぁぁ...やはり平山さんの小説だなぁと痛感。
7編の短編で構成された「死」を死として
のみでなく尊厳の破壊、存在の消失...様々な
「死」をあくまでも平山氏独特の温度感で
容赦なく書かれています。字面上ではかなり
エグさとグロさのある表現ですが、個人的には
この温度感が独特故、嫌悪感をさほど抱かないという
希有な作家さんのような気がします。
タイトル作で書き下ろしの「〜ろくでなしの死」は
ド名作DINERに似た空気感漂う傑作で、この核で
一作の長編にもなりそうな濃密な面白さ。
こういった殺し屋書かせたらピカイチですね。
心折れんばかりになった「〜ごくつぶしの死」の
心地悪さと恐怖。
「〜愛情の死」で描かれる常軌を逸したラストシーン。
そして、今作を締める「〜からっぽの死」における
何故か切なく、苦しくなるラブストーリー。
こういった短編では一人勝ち、独壇場ですね。
色んなバランス感覚が絶妙過ぎます。
言葉にして言い難いですが...いい作品です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
国内作家は〜
- 感想投稿日 : 2013年2月12日
- 読了日 : 2013年2月12日
- 本棚登録日 : 2013年2月12日
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