オールマイティ

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年3月18日発売)
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本棚登録 : 62
感想 : 12
3

野球小説でデビューを飾った本城氏の新作。
たまたま別の作品で野球絡みのミステリを
読んだばかりでしたが、やはり、こと野球に
関しては本城氏の得意とする分野だけあって
凄く説得力のある内容になっています。

野球をテーマにしながらも、今作の主人公は
日本ではまだ余り馴染みのない代理人というところも
なかなか興味深い。人気球団との交渉に入った
人気実力のある投手の代理人として「善場」が
交渉にあたる中、かつての「善場」のクライアント
であったスター選手が失踪というトラブルが起き、
その行方を探す事になるのですが...。

ゆっくりと事件が進み、一体失踪の裏になにが
隠されているのかが、余り分からず、そして
グイグイと興味を惹かれる類いのものでもないので
ややダルい印象もありましたが、要所に野球という
スポーツの持つ表側では無い部分の描写や、選手が
抱える、我々には分からない悩み、苦悩が描かれていて
なんだかんだと最後まで読ませる作品...だったですw。

事件の真相やラストの展開はあまり後味の良いものでは
ないのが個人的には残念。出来たら氏による、痛快で
気持ちの高揚する王道の野球小説が読んでみたい...。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内作家な〜
感想投稿日 : 2011年7月22日
読了日 : 2011年7月22日
本棚登録日 : 2011年7月22日

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