いや〜良かった。面白かった。「グアテマラの弟」がたいそう気に入ったのだが、本作はてっきり片桐さんが好きな映画のことを語ってるんだと思い、そんなに映画好きってわけでもない私は、読まなくてもいいかと思っていたのだった。「たな友さん」の感想で内容を知り、これは読まなければ!と飛びついて、期待通りの充実した中味に大満足。片桐さんが映画館のもぎり嬢という仕事を心から愛していることがしみじみ伝わってきて、本当に心地よい読後感だった。
それにしても、映画を見に行ってふともぎり嬢の顔を見たら片桐はいりだった!というお客さんはさぞ驚いたであろうなあ。うらやましい。
片桐さんも書いているが、かつての映画館にはいかがわしい匂いがたっぷりあった。清潔で明るいシネコンにすっかり慣れてしまって忘れていたが、二本立て三本立ての名画座が持っていた陰翳を久々に思いだして、何だかとっても懐かしくなってしまった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ・紀行・回想
- 感想投稿日 : 2011年7月26日
- 読了日 : 2011年7月26日
- 本棚登録日 : 2011年7月26日
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