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  • 集英社 (2008年11月26日発売)
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ある日、島を大津波が襲う。
家族が眠ってから美花と落ち合う約束をしていた中学生の伸之は偶然にも難を逃れることができた。
島で生き残ったのは、年下の輔と大人3人を合わせ、6人だけ。

年月は流れ、信之は家庭を持ち平穏な生活を送っている。島で起こった事件を知る輔が信之の前に出現し、信之の生活に陰りが・・・。
信之は今でも美花のことを思い、輔は信之に対してゆがんだ感情を抱いている。信之の妻も満たされない思いを抱いて生きていて、なぜだか幸せや平穏、安心とは逆の方へ流されていく。


読んでいると、2年前の大震災を思い出し肌が粟立つが、あとがきによると、2006年に連載が始まったとあった。

普段、しをんさんの直球勝負の小説が大好きな私としては、読むのが辛い話だった。東野圭吾の『白夜行』を思い出した。(あれ、続編のほうだったかな?)
天災。犯罪。悪意のある女。振り回される男たち。

一見、しあわせそうにしていても、人は脆く儚い。
人々の暮らしを根底からひっくり返す災害に見舞われたら、心を閉ざしたりやけを起こしたくなる人もいたって不思議ではない。けれど、あまりに、希望のない毎日を送る登場人物たちがどこかで少しでも楽になってほしいと思うのに、そうはなりそうもない。

タイトルの「光」を見いだせなかった。
最後に信之の妻が持つ覚悟がそれだったか・・・?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 三浦しをん
感想投稿日 : 2013年11月26日
読了日 : 2013年11月22日
本棚登録日 : 2013年11月24日

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