日本の近代とは何であったか――問題史的考察 (岩波新書)

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  • 岩波書店 (2017年3月23日発売)
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感想 : 57

 
 本書は「政党政治」、「資本主義」、「植民地」、「天皇制」の4つの視点から日本の近代を描いた1冊です。日本がモデルとしたヨーロッパ近代を参照し、日本の「近代」の特質へと迫っています。

 本書の冒頭では、福沢諭吉らに影響を及ぼした英国の政治・経済ジャーナリストW.バジョットの著作である『自然学と政治学』、ときには『英国の国家構造』を参照し、ヨーロッパ近代の特質を明らかにしています。その結果、「議論による統治」を鍵概念とし、併せてその系概念として「貿易」および「植民地」という2つの概念を抽出しています。さらにヨーロッパの君主制と似ても似つかない天皇制をも取り上げています。

 本書に目を通すことで、日本の「近代」について、単に明治維新によって始まった時代としてではなく、さらに一歩進んだ把握ができると思います。
 

本書の目次は、以下の通りです。

序章 日本がモデルとしたヨーロッパ近代とは何であったか
第一章 なぜ日本に政党政治が成立したのか
第二章 なぜ日本に資本主義が形成されたのか
第三章 日本はなぜ、いかにして植民地帝国となったのか
第四章 日本の近代にとって天皇制とは何であったか
第五章 近代の歩みから考える日本の将来
あとがき

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三谷太一郎『日本の近代とは何であったか:問題史的考察』(岩波新書、2017年)
所在:中央館2F 請求記号:081//I95//NR1650
https://opac.lib.niigata-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB23314905?caller=xc-search

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年6月27日
読了日 : 2022年6月27日
本棚登録日 : 2022年6月27日

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