ふらっと立ち寄った本屋にて表紙買い。
多様性のある“怪談"を書くのがうまい作者だと思うが、表題作から三番目までは私の好みではなかった。
まあ怖いっちゃ怖いけど・・・別に取り立てて何か言うこともない、って感じ。
その代わり「きも」と「狂覚(ポンドゥス・アニマエ)」は気に入った。
前者はどことなく鈴木光司の「らせん」を思い出した。こういう実験データの挿絵を小説に入れる手法は別段珍しくもなんともないのだが、私が初めてその手法を目にしたのがそれだったからだ。
で、話しを戻すと、途中の“会話”が怖いんだな。163pの最後4行から165pまでの流れがこわい。「うわっ」っと一歩引いてしまうような後味の悪い怖さだ。
でもなー、怨霊()のヤマキがそこまで執着するのか?あんまりなっとくいかないなー。でもそれこそが“狂ってしまった”ってことなんだろうか。
後者の「狂覚(ポンドゥス・アニマエ)」は一番気に入っている。
実験的要素の多い作品であり、居心地の悪い気味の悪さを感じる。
夢でも見ているようなフワフワしたイメージだが、この作品はすばらしい。コレがあったから「この本買って良かった~」と思ったもの。
オチもまた良し。でもこの3.2cmには元ネタあるんだろうか。
21gは知ってるけど。ダンカン・マクドゥーガル博士だっけ・・・?(そういや映画『21.3g』はなかなか好きだったな。チョコレート・バーと同じ重さの魂・・・)
同じ作者の本も読む・・・かもな~。狂覚みたいのなら。
- 感想投稿日 : 2011年7月20日
- 読了日 : 2011年7月20日
- 本棚登録日 : 2011年6月27日
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