ライオンハート (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2004年1月28日発売)
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本棚登録 : 7903
感想 : 831
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物語の作りだけでなく、残す印象まで、とても不思議な物語。
“時代を超え、深く愛し合った男女が出会い、すぐに引き裂かれる”というアイデアと1枚の絵画にインスパイアされて書かれた物語が、膨らまされて、時空を超えて織りなされる。
1932年のロンドン、1871年のシェルブールのお話は、設定を引き受けた真っ当なラブストーリー。
その2つの話でネタが明かされ、そこからどうやって展開していくかと思ったが、1905年のパナマでは設定を隠し味にミステリー仕立てで興を惹く。
1603年のエリザベス女王の話はややくどい感じだけど、読み終えてみれば結構重要なパートだったと分かる。
そして1855年のオックスフォード、この作者ならでは世界を感じる中で、予定調和的な話ながら、収まるべきところに収まった話にちょっと感動。
その前に置かれた1969年のフロリダの話も良い感じ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2020年読んだ本
感想投稿日 : 2020年9月23日
読了日 : 2020年9月21日
本棚登録日 : 2020年9月23日

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