物語の作りだけでなく、残す印象まで、とても不思議な物語。
“時代を超え、深く愛し合った男女が出会い、すぐに引き裂かれる”というアイデアと1枚の絵画にインスパイアされて書かれた物語が、膨らまされて、時空を超えて織りなされる。
1932年のロンドン、1871年のシェルブールのお話は、設定を引き受けた真っ当なラブストーリー。
その2つの話でネタが明かされ、そこからどうやって展開していくかと思ったが、1905年のパナマでは設定を隠し味にミステリー仕立てで興を惹く。
1603年のエリザベス女王の話はややくどい感じだけど、読み終えてみれば結構重要なパートだったと分かる。
そして1855年のオックスフォード、この作者ならでは世界を感じる中で、予定調和的な話ながら、収まるべきところに収まった話にちょっと感動。
その前に置かれた1969年のフロリダの話も良い感じ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2020年読んだ本
- 感想投稿日 : 2020年9月23日
- 読了日 : 2020年9月21日
- 本棚登録日 : 2020年9月23日
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