なんだかあっというまに読めてしまった。
引き込まれて読んだし、描かれるものみな美しくてうっとりする感じで、読んでてここちよかったのだけれど、うーん、なんだかもの足りない。
すべてがファンタジーに思えるような。
元有名女優で、世間に隠して愛した人の子を産んだ祖母とか、祖母をとりまくショービジネス界の人たちとか、主人公がその祖母と暮らすことになるいきさつとかその暮らしとか、すべてがある意味特殊な話だからか。祖母との暮らしぶりとかも理想的で楽しそうだけど、ふわふわとして現実的じゃないような。
みなが年老いてやがて死ぬことも、きれいごとばかり書かれているわけじゃないんだけど、なんだかきれいで、こんなにきれいなものかな、と少し懐疑的な気分になってしまった。
生や死について、言いたいことはわかるけど、あくまで個人的に、それをわたしはなんだかうまく認められないというか。
本当に個人的な意味でだけれど。どうしてもこんなふうにまだ人生や老いや死を受け入れられないというか。
あと、あくまで主人公は語り手だってことはわかるけれども、もうちょっと主人公自身について深いところまで読みたかったような。
主人公のお母さんについても同様。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年6月5日
- 読了日 : 2013年6月4日
- 本棚登録日 : 2013年6月5日
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