我等の町(字幕版)

監督 : サム・ウッド 
出演 : ウィリアム・ホールデン  マーサ・スコット 
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感想 : 1
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Ann Patchett「Tom Lake」を読みはじめたら舞台劇「Our Town」(我等の町)が出てきて、わたしはその舞台劇を知らず、検索したら映画化されていたので、急遽見てみた。
1940年のモノクロ映画。描かれているのはさらに昔の1910年とかで、アメリカの小さな町の普通の人々の暮らしが紹介され、隣家どうしの娘と息子が恋して結婚式を挙げ……っていう話。
普通にホームドラマだなーと思いながらほほえましい感じで見ていたんだけど、ラスト15分くらいで一変、別にホラーとかじゃないけど、なんか恐怖にかられて食い入るように見てしまった。超びっくり……。
その結婚した娘が、出産時に死にかけて死後の世界の手前?まで行くのだ。
で、亡霊のような形で、記憶にある昔の日に戻るんだけど、そこは自分の16歳の誕生日で、両親ともに若くて元気で、自分も若く、ごく普通の日の朝の光景で。亡霊の娘は、こういう普通の日がすばらしかった、もっとこういう日を大切にすればよかった、とか思って、12年後にわたしは死んじゃうの!弟も死んじゃうの!、とか母親に向かって言うんだけど、そこにいる母に自分の姿は見えないしきこえないし、っていう。なんかこのあたりが怖くてたまらなかった。両親も自分も若かったころの生活を見る、とか考えただけで泣けてしまう。だから今の日々を大切にしなくては、っていう話なんだろうけど、なんかものすごく人生のはかなさを突きつけられた感じというか。人はどうせ死ぬ、とか、死んでしまえば終わり、とか、時間はどんどん過ぎていく、とか、いいときは続かない、とか暗く考えてしまった。
モノクロっていうのもなんか怖い。

結末としては、娘は生き返るんだけど、あまりに一瞬過ぎて、見たあと、え、死ななかったってことで合ってる?、と思って検索してしまった。死ななかったってことでほっとしたところもあるけど、でもいつかは死ぬ、と思うと気が沈んだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年12月9日
読了日 : 2023年12月9日
本棚登録日 : 2023年12月9日

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