君が手にするはずだった黄金について

著者 :
  • 新潮社 (2023年10月18日発売)
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感想 : 52
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「地図と拳」とはまーーーったく違うけどおもしろかった。こういうのも書く人なのか、っていうか、「君のクイズ」の感じはあるし、こういうのが本来のテイストなのかな? いやいろんなジャンル書く人なんだろうけど。
連作短編で、主人公は小説家の小川、で、どこまでが事実でどこからフィクションなのかわからないけど、著者本人で、小説家がどんなふうに物事を考えるのかがわかるような感じもあっておもしろかった。

読みながら、ものすごく村上春樹っぽさを感じたんだけど、わたしだけかな。(って「君のクイズ」を読んだときもそう書いた)。文章かな、なんか理屈っぽい感じとかかな。

主人公の友人知人の話として、金融トレーダーとか漫画家とか、詐欺師っぽい人たちがでてきて、事実と嘘や虚構とか、才能のあるなしとか成功とか、承認欲求とかについて書かれている。詐欺とか詐称とか嘘までいかなくても、だれでも、他人に認められたいし、できれば成功したいし、才能がありたい、と思う気持ちは理解できる。主人公はそういう気持ちがあまりなさそうなんだけど。小川哲氏のインタビューを読んだら、実際、彼もあまり承認欲求がなく、自己肯定感が高いほう、と言っていた。そのへんが村上春樹っぽく感じるのかも?という気もしたり。

でも正直、個人的には、もっと「地図と拳」みたいな壮大な感じ?の作品書いてほしいなとも思ったり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月3日
読了日 : 2023年11月3日
本棚登録日 : 2023年11月3日

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