続 日本人の英語 (岩波新書 新赤版 139)

  • 岩波書店 (1990年9月20日発売)
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『#続日本人の英語』

ほぼ日書評 Day508

「続」のつかない本編にも増してマニアックながら、価値のある本である。例文は丹念に読む価値が十二分にある。

「続」でなるほど感が最も大きかったのは、英語にも「やまとことば」のような表現があるという箇所。具体的には「run,​ ​come,​ ​walk,​ ​talk,​ ​sit,​ ​be,​ ​go,​ ​put,​ ​see,​ ​work​という『シンプルなアングロサクソン系の動詞』」をさまざまな前置詞と組み合わせることで、そのニュアンスが表現されるという。

アングロサクソン系の対極に置かれるのがラテン語系の単語。〜tionとなる言葉は大概ラテン語系なのだが、ノンネイティブが英語を使う際には、これらの単語を使った方が、よほど座りが良いのは著者の指摘の通りだ。

文中、例に挙げられるのは「ためらう(和語)」と「躊躇する(漢語)」だが、さすがにこれだと比喩として弱かろう。
かわりに「さまよいあるく」と「彷徨」、あるいは「たまたま出会う」と「邂逅」あたりを提案しておきたい。

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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年12月7日
読了日 : 2021年12月7日
本棚登録日 : 2021年12月7日

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