パンプキンは、爆弾です。模擬原爆の別名です。
爆弾に模擬も本物もへったくれもないでしょ、爆弾は爆弾で、爆発して、人を殺す武器でしょ。どうして「模擬」なの?
そう思いませんか。
「パンプキン」は、模擬原爆でした。
広島と長崎に落とされたあの原爆の、練習台として、つくられたのが、「パンプキン」です。原爆の形は、通常の爆弾とは異なります。
大きくて重くて、不格好な原爆を落としたい場所に、正しく落とすのには、練習が必要でした。原爆の開発には、多額のお金がかかっています。失敗するわけにはいきません。練習場所に選ばれたのは、大阪です。練習で爆弾を落とし、練習で人が死にます。
人が殺し合うのが戦争。たくさん殺したほうが勝ちなのが戦争。そんなことはわかっています。でも、人殺しの技能を高めるために、人を使って練習できる神経を形成するのが、戦争なんだということを再認識してぞっとします。
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カテゴリ:
YA
- 感想投稿日 : 2018年2月17日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2018年2月17日
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