魅惑的な天才。認識論のストーカー。分析的ヘンタイ野郎。
ヒュームの丁寧な、丹念すぎる分析に読者はおのずと惹きこまれていってしまう。
認識論は言わずもがな、第三部の道徳論も傑作だと思う。
規範倫理学の立場からではなく、メタ倫理学的な立場から、つまり「道徳とは本来どうあるべきか」ではなく「道徳とは現にどうあるのか、どういう機能を果たしているのか」を適確に観察・分析している。だれも意識的に行うことのなかった、画期的な作業である。
カントの微睡みを醒まし、現代思想の先鋭の多くにも多大な影響を与えたことに疑いの余地を与えない素晴らしい内容。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
▫近代(デホヘ)
- 感想投稿日 : 2014年6月29日
- 読了日 : 2014年6月29日
- 本棚登録日 : 2013年9月12日
みんなの感想をみる