統治と功利

著者 :
  • 勁草書房 (2007年5月30日発売)
4.50
  • (8)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 140
感想 : 6
5

パーフィットを援用し、「人格」の内在的価値を否定する議論が刺激的だった。(「個人」がその「個人」自身の利益を最大化しようとすることに、なんら根源的な正当性は認められない。人格という概念自体、人々が幸せになるのに都合がよかったために、仮構された概念なのである。実際は瞬間瞬間の意識状態があるだけだ)。

そこからさらに、アーキテクチャ的統治の技術的発達(おすすめ機能、POSなど)によって、統治単位を「個人」から「瞬間的意識」へと移行させることができるという展望が述べられたときは目から鱗が34枚ほど剥がれ落ちた。

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ:   ▫21世紀(分ポ後)
感想投稿日 : 2014年3月24日
本棚登録日 : 2014年3月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする