文明を捨てアマゾンの密林で部族の語り部となって生きたユダヤ人青年の物語。言葉が存在を創り、世界を生み、物語ることによってばらばらな人々を繫ぎ留める。‘物語る’という行為と営為の根幹と真意を垣間見たようで、久しぶりに小説読んで心打たれた。
何を読んでも響く作家がいる。読書家の方々なら頷いてくれると思うが、相性のいい作家がいる。馬が合うというか、肌が合うというか。どれを読んでも琴線に触れ、自身の座右の書となり得る書き手。ラテンアメリカ文学を読むきっかけとなった作家はガルシア・マルケスだが、マリオ・バルガス=リョサは自分にとってそんな存在の作家なのだとこの頃、気付いた。
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2020年1月25日
- 本棚登録日 : 2019年9月8日
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