漱石の実際の未発表文“韓満所感”をもとにロシアの大学で明治期の暗殺者たちとその周辺にいた人々について講義する、という架空の講演形式で物語が進む。
伊藤博文、安重根、明治期の社会主義運動家、漱石にドストエフスキー。様々な人が散りばめられているが、“韓満所感”を掘り下げるでもなく、点と点を結ぶわけでもない。興味深いエピソードがあるしトリビア的な知識も得られるが、物語るという点では勢いがない。
講演記録の形にした意図も不明確でよく分からず。暗殺者と本当に呼べる人は伊藤博文と安重根しかいなかったというのも、伝わりにくい。
面白い小話が多いのにまとまりもなく、う―ん。
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年12月12日
- 本棚登録日 : 2013年11月28日
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