人間とは何か (岩波文庫 赤 311-3)

  • 岩波書店 (1973年6月18日発売)
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感想 : 103
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 個人的に何度も読み直したいと思った本。


 例えばです。
 私の身の回りにはもう亡くなった人も含め、何人か認知症を患っていました。

 そのとき、「日常生活でできなくなってしまったこと」が数多くある中でさえ、人を選んで攻撃をする姿を幾人も目にしました。

 大体、人により、(八つ当たりなど)攻撃する対象は限られてるのですよね。弱者に向かう。もちろん当人が一番の弱者なわけですが、当人が元気だった頃の認識で弱者と思われる人間が攻撃対象になる。強い人間にはあまり向かわない。


 わたし、何となく見ていたり、その対象になったりして、
 「あぁ、自分に対する弱者強者を見分ける力って、結構人間の根源的な能力なんだなぁ。」なんて思っている。


 そこで、いかにうまく取り繕おうとして、勉強したり訓練したりしたところで、


 そんな努力なかったかのように身包みはがされる。


 それが、人間の性質なんであろうとすると、


 自分の性質は、決して素晴らしいものとは言えない。本当に。

 今までひたかくしにしているものが、いつしか決壊して漏れ出る可能性を考えると、

 自分の性質ってやつについてよく考える。

 まだよく見えていない部分も多いのだけど、

 せめて「そんなにひどくない」くらいだったらありがたいのですが…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年10月20日
読了日 : 2013年10月20日
本棚登録日 : 2013年10月20日

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