映画感想だったりして。
道徳教材とかにもよくなっているから、観ておこうと思って。
この映画は、バカみたいにお涙ちょーだいって感じじゃないからすごく好きだと思った。
諜報活動をしていた杉原さんのことや、国のために命を懸けていたことがよくわかるから、ビザ発給の決断に重みが出てくる。
後半で、奥さんと踊るシーンが印象的で。
歯車が回るように杉原夫妻の周りを人が回り踊る。
いつか歯車が回った時にのために、今できる最善のことをしようと誓ったにもかかわらず、歯車の中で身動きが取れないかのように、立ち止まり、自分の守りたいものと離れてしまわないように抱きしめる。
英雄なんかじゃなくて、
彼は、挫折と失望を抱え、長い時間を生きたのではあるまいか。
国のために命を懸けてきたことが、何の役にも立てず、敗戦という形で突き付けられる。
こうならない未来を望んで、世界を変えたいと生きてきたにもかかわらず。
皮肉にも、国の命令に背いたことが、「世界を変える」という夢を、国を後ろ盾に行うことを離れたことが、
図らずも世界の認識を変えるような出来事となる。
悔しかったろうなぁ、と思う。
悔しいじゃ、済まされないほどの気持ちを抱えていらしたのだろうなぁ、と。
私は、領事館の机に座る写真しか拝見したことがなかったのだけれど、
映画のラストで様々な杉原さんと家族の写真が写っていた。
なんと気骨のある精悍な顔つきをされていることか。
いるところにはきっと、このような顔つきをなさった方はいらっしゃるのだろうけれど、私は、写真からすら訴えかけてくるような、芯の強さを感じる顔つきの方を、久しく見ておらなんだと、自分の今いる環境に、
目を覚ませ、といわれた気がしてしまいました。
- 感想投稿日 : 2015年12月13日
- 読了日 : 2015年12月13日
- 本棚登録日 : 2015年12月13日
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