ヤクザと日本: 近代の無頼 (ちくま新書 702)

著者 :
  • 筑摩書房 (2008年1月1日発売)
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本棚登録 : 209
感想 : 21
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日本のアウトロー「ヤクザ」を肯定的に叙述した本。多くの研究に依拠しながらもエネルギッシュに論をまとめていく力は見事。ただ、多くの研究の引用があり雑然として著者自身の論として読むのは少し難しかったきらいがある(ので☆4つ)それにしても、歴史教育においても重要な提言だと思うが近代以降の日本史からヤクザはすっぽり抜けている気がする。それは当然と言えば当然かもしれないが、著者が明らかにしたような大衆芸能との結びつき、権力との結びつきなど考えれば不自然ということはできよう。まあ、不都合な真実という類いのものかもしれない。
吉本と山口組のかかわりや、米騒動とのかかわりなどは、もっと知られて良い。詳しく知りたかったのは被差別部落や在日朝鮮人とのかかわりかた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本史
感想投稿日 : 2020年5月6日
読了日 : 2020年5月6日
本棚登録日 : 2020年5月6日

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