いつか、虹の向こうへ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2012年10月25日発売)
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本棚登録 : 196
感想 : 30
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元刑事の尾木は、知り合いの女性に嵌められた上、逆上したその彼氏に襲われ、揉み合っているうちに誤って殺してしまった前科もの。障害児の一粒種が亡くなり、夫婦仲が冷すっかりえきった中での出来事だった。懲役刑が確定し、服役中に離婚、そして慰謝料を支払うため持ち家を売却中。とまあ、この世にもはや何の希望も未練もない悲惨な転落人生だ。これだけでも、気の滅入るような設定だが、そんな尾木に、次々と災難が降りかかる。

泥酔した尾木は、チンピラに絡まれ、若い女性に助けられたが、その娘が尾木の家にトラブルを持ち込んだのだった。

テンポがよく、悲惨なエピソードも比較的ドライに描かれていたので、面白く読めた。

私立探偵沢崎(原寮作品)を彷彿とさせるハードボイルド・ミステリーだった。主人公の痛めつけられ加減が結構似てるよなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2021年4月19日
読了日 : 2021年4月19日
本棚登録日 : 2021年4月18日

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