2002年9月に上梓されたこの本の語るところは、特に"トランプ大統領"が現実のものとなった今、非常にリアリティをもって訴えかけてくるものが多い。
『アメリカが帝国に向かい、単独行動に頼るとき、他の諸国はアメリカとの距離を広げ、それぞれの地域における制度形成に関心を移してしまうだろう。その結果として生まれるのは、国際政治における、壮絶な無責任状態、ともいうべきものである。(p.202)』
さて、従来の「対米従属/協調」という二項対立の構図では到底理解出来ない、資源や領土の多極間対立が今まで以上に複雑化して起こることになるだろう。
自国の権益を如何に守りつつ、国際社会において名誉ある地位を占めることの難しさに、日本のリベラルや左派は"剥き身"で直面する事になる。
本書は平易な文章で書かれており、読み易い点も評価ポイントとして挙げておきたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
国際政治
- 感想投稿日 : 2016年11月9日
- 読了日 : 2016年11月9日
- 本棚登録日 : 2016年11月6日
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