となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代

著者 :
  • ミシマ社 (2016年7月17日発売)
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同志社大学大学院教授、内藤正典さんの著書『となりのイスラム』を読んだ。
湾岸戦争や9.11同時多発テロ、その後、西欧諸国、中東、或いは北アフリカ等で起きているイスラムとの紛争、難民問題。 
日本国内では、まだ大きなテロ被害はないとはいっても既に日本人の人質が殺害される事件が繰り返し発生している。今や他人事のように目を背けられない状況である。我々がイスラムに目を向ける時、常に危険な人々というイメージがついてまわる。それがニュース映像で見る彼らの姿だからだ。
だが、彼らの本当の姿はそうではない。仲良くしていくためにイスラムについて少しでも知って貰おうと書かれたのが本書である。

問題の根源となっている思考の違いやムスリムの信仰について非常にわかりやすく書かれており、これまででもっともイスラムを知る機会を得られたと思う。(おそらく中学生以上なら、それなりの考えを持って読めるはずだ。)
また、イスラム国(IS)を病だと指摘する一文には合点がいった。アメリカなどが行っている誤った外科治療(爆撃)によって母体の命が危うくなっている。そればかりか、がんが次々と転移して世界中を蝕んでいるというのだ。

紛争を無くすための具体的な政策はぼくにはわからないが、相手を知ることから始めるしかないと思うのだ。
http://nozo-n.blogspot.jp/2016/10/blog-post.html

さらに一つ書き加えておくならば、装丁が実に見事であるということ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2016年10月8日
読了日 : 2016年10月3日
本棚登録日 : 2016年10月3日

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