いちばんやさしいオブジェクト指向の本 【第二版】 (技評SE選書 8)

著者 :
  • 技術評論社 (2009年11月19日発売)
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感想 : 7
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 オブジェクト指向とは何か、ということがそもそもわからない人を対象に
オブジェクト指向プログラミング言語の淵源や、基礎的な考え
あるいはオブジェクト指向のメリット等が書かれている。

 個人的にはあまりおすすめできない。というのもオブジェクト指向を
わからない人を対象に説明するには、やや漠然としすぎているきらいがある。
また、オブジェクト指向をわからない人がこの本を読むと、
思考の迷路に陥る可能性が非常に高いと思う。
オブジェクト指向プログラミングは確かに従来の手続き型と比べると
発想・哲学の大きな転換が迫られているが、方法論が根本的に
変わった訳ではない。かなり便利になった、ぐらいのものである。
ただ、理解できていない人がこの手の本を読むと大げさに捉えて、
何かを作る、ということに対して非常にためらいを感じやすくなるだろう。
現に自分がそうだった。
C++でコーディング・分析する際、これは本当に正しい設計か?
オブジェクト指向的な発想にのっとっているか?といった
答えは初心者のうちでは絶対に導き出せない問題に悩まされる。

 初心者を対象にした読み物なのだが、初心者が読むには
あまりにも漠然としすぎているし、難題を植え付けてしまうと思う。
初心者のうちは方便でもいいので簡単に考えて、
まず、作るということに気持ちを向けたほうがいい。
その点からもこの本の内容は、作る、ということに
主眼を置いていないので、初心者が読むことをおすすめできない。
多少作れるようになった人間が、より理解を深めるためのもの、と
考えたほうがより内容を活かせるだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: プログラミング
感想投稿日 : 2012年7月29日
読了日 : 2012年7月29日
本棚登録日 : 2012年7月29日

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